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ビエンナーレ見聞録(ヴェネチア編) [国際展]

先月末夏休みを兼ねてヴェネチア・ビエンナーレ見てきました。第52回目を数える今回は、ビエンナーレ史上初のアメリカ人キュレーターとなるロバート・ストー氏を総合ディレクターに迎え、過去最高の参加国数となる76カ国から総勢110名/組のアーティストが参加とのこと。その割にはさっぱりした展示で、正直なとこ、ハッとときめく作品との出会いは今回少なかった気がします。その代わりに、具体の作家も取り上げられたARTEMPO展や李禹煥展ほかの同時開催展がかなり充実していてそれなりに見応えあり。今年のビエンナーレの内容については既に雑誌やWeb等で情報が出揃っているので、今回はいつものレポート形式ではなく、私的ベスト5形式でご紹介します。


> Best 1 - Francis Alÿs(会場:アルセナーレ)
美術館に狐を放ったり、人力で砂丘を動かそうとしたり、何が飛び出すか予測不可能なアーティストフランシス・アリス。今回の展示は残念ながら撮影禁止だったので画像はありませんが、「ボレロ」と題された靴磨きのコマ撮りアニメは最高に楽しかったです。撮影に使用したと思われるドローイングが展示室一杯に飾られていて、肝心の映像よりもそちらの方が目立っていたところなんか彼らしい。

> Best 2 - Sophie Calle(会場:ジャルディーニ、フランス館)

作家の元に届いた恋人からの別れのメールを題材とした作品。メールの末尾に添えられた'Prenez soin de vous.'(お元気で)のひと言が作品タイトルになっている。唐突な別離をうまく受け入れられなかったカルは、自分の代わりに様々な職業に従事する107名の女性たちに、専門的立場からこの手紙の内容を分析してもらい、集まった返事を展示した。弁護士や精神分析医はまだ分かるにしろ、中にはチェスやインド舞踏で表現したものも。プロの校正家によって徹底的に添削されたものもあった。このメールの差出人は相当なプレイボーイと見たが、この展示には懲りたはず。アーティストの彼氏彼女をお持ちの方、どうぞご注意ください。

> Best 3 - Maaria Wirkkala(会場:ジャルディーニ、北欧館別館)

作風は異なるものの、前回の横トリで倉庫の間を綱渡りする動物の作品を展示した作家と言えば覚えている人も多いはず。アールトが設計した旧フィンランド館で展示された今回のインスタレーション「上陸禁止」は、ヴェネチアングラスの生産地として有名なムラノ島のガラス製品の破片を散りばめた空間に一艘のゴンドラが置かれており、仕掛けでゴンドラが時々揺れる度に中に入っている水もかすかに波打つという詩的な作品。ゴンドラの背後には、彼女の作品によく登場するガラスの梯子がひっそり置かれていた。

> Best 4 - David Altmejd(会場:ジャルディーニ、カナダ館)

スーツを着た鳥人間、座り込だまま腐敗し部分的に結晶化した巨人の骸に住み着いたリスや小鳥たちにキノコ等の植物。グロテスクさの中に神話的な静謐さが漂う大作インスタレーション。ナウシカの再生する腐海を思い出しました。

> Best 5 - Joshua Mosley(会場:ジャルディーニ、イタリア館)

'dread'(恐怖)というタイトルのクレイアニメーション。森を散策するパスカルが途中ルソーに出会ったかと思うと巨大な犬に襲われる、という不思議な展開。何だかとてもクールな画面と時代掛かったBGMが妙に印象に残りました。帰ってから作家のサイトを覗いて見ましたが、他の作品も結構独特です。http://joshuamosley.com/

日本からはメイン展に、藤本由起夫、米田知子らが出展。中でも束芋と加藤泉の二人の展示は、日本で目にしているはずなのにとても新鮮に感じました。

*番外編

今回ヴェネチアを訪ねたもう一つの目的は、5月にroomで個展を開いたカロリーナ・ラケル・アンティッチに会うこと。ちょうどドイツ旅行から戻った彼女に、ジュデッカ島にある広々としたアトリエで、新作のペインティングや映像作品などを見せてもらいました。写真のバックに移っているのは、今秋11月にニューヨークのFlorence Lynch Galleryで開催する個展のために制作中の大作。roomでの次回個展も調整中ですので、どうぞお楽しみに。


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コパマネ

ヴェネチアビエンナーレの模様、興味深く拝読いたしました。田舎暮らしのため、なかなか最先端のアートと出会う機会がなく、写真を見ながらコメントを読んでいて、ワクワク楽しい気持ちになれました。わたしにとって、自然の美は身近なんですが、にんげんの創造する美もやはりすばらしい。3番目は実際に見てみたいです。2番目は、ちょっとコワイ・・・。
by コパマネ (2007-09-22 00:53) 

kiyo

コパマネさんコメントありがとう。ヴェネチアではワインバーもあちこち探索してきました。好きなおつまみを選んで運河を眺めながら飲むワイン最高でした。でもお互い飲み過ぎには注意しましょうね。
by kiyo (2007-09-22 14:01) 

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